昨日の出来事から、やっと心を落ち付けられたと思う。あの男は何だったのかと、詩人はパブの片隅で考えていた。
(また明日と…言われてしまった…)
昨日の出来事は短時間だったはずなのに、嫌というほど覚えていた。体中を這う舌、詩人自身を手で煽る様に扱く手。思い出したくもない感触がジワジワと体を蝕んでいるのだ
気色が悪いと、忘れたい思うのに、一度覚えた快感は身体の奥底を疼かせた
(私の体は…どうなっている?)
ギュッと詩人は自らを抱き締めた。自分の体に起きている事態が上手くのみ込めなくて…。僅かな不安に押し潰されてしまいそうになる
窓の外を見れば、もう外はほの暗くなり始め、月が出ている。詩人は頭を小さく横に振り「いけない、いけない」と、気を引き締めた。
「…もう、時間になりますね」
パブも盛況になる時間が近づく。人々が疎らに集まり始めた頃に、詩人はパブの隅で弾き語りを始めた
少し時間が経った頃だろうか。パブの中も薄暗くしか明かりもつかず、人さらいが現れたとしても誰も気付かないだろうと思うほど賑やかになる。詩人も、もう曲に耳を傾けるものは居ないだろうと、ゆっくりと酒を飲んだ。
「…今宵はいい夜ですね」
人々の和気靄々とした声が耳を通る。和やかな雰囲気だと安心した。
しかし、ため息を吐いたのも、束の間。背後から誰かの手が伸びてきたのだ
「やぁ、昨日ぶりだね?詩人たん」
「あ、貴方は…!!」
幻聴だと思いたい声は、背後から動く手に現実だと認めさせる。詩人は声を出そうとしたが躊躇ってしまった
今、此処で声を出せば確実に周りに気付かれてしまう。詩人一人の為に、この場にいる者達の空気を壊してしまいたくなかった。それならば、我慢してしまえばいいのでは?と考えてしまったのだ
「詩人たんも流石に恥ずかしい思いはしたくないよね?皆に気付かれたら淫乱だって思われちゃうよね?」
クックと笑う男の声が耳元に響く。逃げようと思えば逃げれた筈だというのに、身体は硬直していた。恐怖からか、身動きができないのだ
「…は、放してくださいっ!」
それでも詩人は昨日の二の舞になってはと、周囲に聞こえぬ様小さく声を上げ、手を払おうとした。だが、男の力は詩人よりはるかに強く、いとも簡単に手を掴まれ後ろに回されてしまう。捻られ、痛さに眉を寄せる詩人に男はニヤニヤと囁いてきた
「まだ、わかっていないんだ。これはお仕置きしなきゃ駄目かな?」
詩人の尻に男の手が這う。背筋から走る悪寒からか詩人は鳥肌をたてた。
(また、昨日の二の舞になるのだろうか…?)
不快に思っているのに、体はどこか昨日の感覚を求めている気がする。詩人は酒のせいだろうと、その考えから逃げたくなってしまった
どう見たって二人の行動は、可笑しいはずだというのに周囲には全くと言って気付かれていない。詩人が何か可笑しいと感じた頃には時既に遅く、周りには腕をつかむ男と同じような視線でニヤニヤと眺める者達しかいなかったのだ。
(はめ、られた…?)
詩人は自分の考えが愚かだったと思った。人さえ居れば、あの男も強引な手段にはでないだろうと思ったのに、周りは皆、男と同類ではないか。
急激に恐怖心が増す。
逃げるにも逃げれないと悟ってしまった。誰一人、詩人の味方は居ないのだ
狼の群れに小羊を放り込んだ様な…その状況には、声を出すのさえ忘れてしまいそうだった。
「貴方達は…っ!!!!私をどうしたいのですか!?」
声を張り上げ、相手を睨み上げる。大勢の敵たちの前で何時まで虚勢を張れるかは、詩人にもわからなかったが、負けてはならないと思った。
何より、気持ちだけでも保たなければ可笑しくなりそうだったからだ
「何って…昨日言ったじゃないか。わすれちゃったの?詩人たん」
「な、何を言ってるんです?」
「わからないとは言わせないよ」
尻を撫でていた手が、急に腰を伝い、下肢へと伸びてくる。詩人はビクリと体を震わす
また、自分の体をなぶられてしまうのだろうかと考えたからだ
「詩人たんの可愛い姿、皆に見せて上げなきゃね」
「いっ…嫌です…ッ!」
下卑た笑いが。男の手が。詩人の体に纏わりつく
下肢の中心へと伸びた手は、詩人自身へと触れ、撫でる様に衣服の上から上下させた。緩く伝わる刺激にさえ、自身は反応して
「…んんっ…」
喉から出る声を押し殺すのが、大変だった。しん…と静まり返った部屋に僅かに声が漏れたのがわかると、詩人は羞恥に目元を染め顔を背ける。
嫌だと思うのに、体は与えられる刺激に熱を持ち始め、布越しという状況から解放されたいと思ったのだ。
「い、ぁっ…くぅ…」
「詩人たん、厭らしいね?服の上からでも濡れてんのがわかるよ」
「は、あぁ…ッ」
男の手が急に詩人自身を握りこんだ。電流が走ったように詩人の体に強い快感が襲う。
あまりの感覚に詩人は頭を朦朧とさせた。それを見計らったかのように男はニヤニヤと笑いながら、詩人をテーブルに押し倒し下肢に纏う衣服を剥ぎ取る。ご丁寧にも手は頭の上で結ばれてしまった
「詩人たん、皆に可愛がってもらおうね」
「やぁ、嫌…っ!?」
気付けば男の手が、3本4本と増える。暗がりでわからないが、きっとニヤニヤとした笑いを浮かべているのだろう
体を生き物が這うかの様に、複数の手が詩人の肌を撫でる。一人は胸を、もう一人は足を、もう一人は詩人自身を。
「はぁ…んんっ…やめ…」
詩人は肌を這う手の気持ち悪さに、涙を流す。それでも体は熱くなる一方で。男の手が自身を包み込み、擦り上げ扱くたびに出したくもない嬌声を洩らした。その声に自分でハッとし、あまりの恥ずかしさに目を強く瞑った。
男にいいようにされたくないのに…
「詩人たんのココ。お洩らししてるみたいだね」
息を荒くしウットリとしながら、男が詩人自身の先走りを手に取る。先程からの行為で詩人のモノは張り詰め、限界に近く、先端から液体が腿を伝い落ちる程であった。
詩人は言葉による恥辱に震え、目を逸らす事しか出来ない。それどころか他の男から、与えられる刺激に肩を揺らし息を整える事さえも出来ずにいる。
「ぁぁっ…はっ、も、ぅ…」
「詩人たん、イきたくてしょうがないんだね?イッていいよ?」
「違、っ…んんっ…」
「詩人たん、可愛いね。俺が手伝ってあげるよ」
足を執拗に撫でたり舐めていた男がそう云い、股間へと顔を埋める。そして詩人自身をくわえ込むと、射精を促すように、モノを責め立てた。
裏筋を舐め、カリ部分を甘咬みし、全てをくわえ込んでは吸い上げる。その巧みな口技に詩人は射精感からか腰を反らせ、一際高い媚声を喉奥から絞りだすように上げた
「詩人たんのコレ、いっぱい出ちゃったね。淫乱だから気持ち良すぎちゃっのかなぁ?」
「…ひっ、く…うぅ…」
蔑むような男の声さえ、遠くに聞こえる。詩人の頭の中は悲しくなる程の屈辱と羞恥で朦朧としていた。
自分は同性だというのに、男達に何故こうもなぶられなければならないのだろうか…。私が何かしただろうか?
訊きたくとも、声に出ない問いは天井の暗闇の中へと消えてしまう。円卓上に溜まった涙とも汗ともつかぬ水滴溜りを見つめ、とても悲しくて、悔しくなる。
だが詩人が、そんな様子を見せようとも男たちは行為を止めなかった
「はぁはぁ…俺、もう我慢できない。詩人たんの中に入りたいよ」
「俺もだよ」
「はぁはぁ…、もう限界だ」
男たちが次々に口を開いてゆく。詩人には内容が理解できなかったが、本能的にそれは、最高の屈辱ではないか、と悟る事は出来た。
早く逃げなければ、もう戻れないと、本能だけが訴える。しかし射精後の倦怠感と、手の拘束により、体が動かない。たとえ動いたとしても、きっと男たちに押さえ付けられ同じ事をされる。
もう、諦めるしか無い。ただ心だけは屈したくないと、強く思う。そうでなければ、駄目なのだ
「これも邪魔だね」
中途半端に脱がされ、詩人の片足に引っ掛かったズボンを乱暴に男の手によって剥ぎ取られる。
「っ…!」
微かに足に走った痛みに、詩人は眉を寄せ体に力を入れた。
まだ、男達の云う“行為”は始まっていないようで…詩人は、その理解出来ない意味に不安になる。
(───…中とはなんなのだろう?女性の様に、男を受け入れる場所は私にはない筈なのに。
男達は何を言っている?)
そんな疑問を感じることが出来るほど、余裕は無いはずなのに。その事だけが頭に浮かび、消えていった
何故なら、手を止めていた男がまた舐めるように胸を執拗に責めはじめたのだ
「ひぁっ…やめ、て…くださっ…!」
「そんな事いっても、詩人たんの胸はイイですっていってるよ?ほら、こんなに紅く染まって勃ち上がってる」
「きき…たくな…あぁっ」
詩人の表情を伺いながら胸の突起を舌で転がし、吸い上げ、甘くかむ。詩人はイヤイヤと頭を振りながら、体を捩らせた。
しかし先程の射精で一旦は萎え掛けたものも頭をもたげ、また欲を示す。他の男がそれを見てニヤニヤと薄く笑った
「あーぁ…さっきイったばかりじゃないか。まだ足りないの?」
「ち…ちがぁ…」
別の男が、詩人のモノを覗き込み指で突く。
その度に切なげに揺れる詩人自身と僅かに喉奥から洩れる声に息を飲んだ
「…そろそろ、詩人たんのここに手をだしてもいいよね?」
「え……?」
ただ観察していた男が、よく見えるようにと詩人の足を大きく開かせた。詩人は閉じようと、力を入れるが他の男が足を押さえ付け、それは許されなかった。
「な、何を…する、んですか…っ?」
詩人の心には恐怖だけがはっきりとしていた。何をされるかわからない。これが先程云っていた“行為”なのだろうか?
「はぁはぁ…詩人たんにも気持ちいいことだよ」
「わたし、が…?」
「お口が暇なら俺のを奉仕してくれないかなぁ」
「ん…んぐっ…」
詩人の口に男の牡を突っ込まれる。詩人は息苦しさと独特の臭いに気持ち悪くなったが、男は気にもせず恍惚とした表情で腰を進めてゆく。
「んん…ふぐ…」
喉奥まで突かれてはギリギリまで引き抜かれ、そしてまた喉奥まで突かれる。詩人は苦しさに顔を歪める。
その間にも、他の男は詩人の双丘の間に手を這わせ、秘孔のまわりを指でなぞる
「んん…っ」
「詩人たんのココ、綺麗な色だね」
「むぐ…ぅ…ふ…」
「まずは解してあげなきゃ」
ハァハァと息を荒げながら、男はゼリー状の物を手に取りそれを秘孔へと塗りたくっていく。詩人はヒヤリとした冷たさとヌメリ感に眉を寄せ、くわえていた男の牡に歯を立ててしまった
「う…ッ」
その拍子に男が詩人の口内へと白濁とした精を吐き出す。詩人は喉奥に出された精が飲み込めずゲホゲホと咳き込んだ
飲み込めなかった精液が、詩人の口から垂れ流れる。唇は艶々と色っぽく見えた
「…んぁっ…!?」
解放されたと思ったのも束の間で
すぐにズチュ…と部屋に響く水気を帯びた音と共に、腰に不快感が走った。
今、排泄物を出すためにあるべき場所にに指を挿れられたのだ。
「ひ、ぅぁ…そこ、は…」
「何だい?詩人たん」
「そこは指を入れる場所じゃない」と、言葉で伝えたいのに上手く声がでない。それどころか男がニヤニヤと薄く笑いながら、指を奥深くまで差し挿れ、くにくにと内壁を探るように動かすのだ。
「ひっ…きもち…わる、ぃ…はぁっ…」
下腹部に広がる不快感に、詩人の瞳には涙が浮かぶ。
男達はこんな事をして何が楽しいのだろうか?泣きたいわけでは無いのに、ぐにぐにと内壁を擦られ涙がぼろぼろとながれた。
「詩人たんのイイとこは何処かなぁ?…ここ?それとも、ここかい?」
「…んぅ……あぁっ」
男の指が一点を掠めた時だ。詩人の体に今まで感じたことの無い感覚が背筋を走った。不快感とは違う何かが
「ココだね?」
その反応をみた男が執拗に、掠めた場所を擦り上げる。詩人はどうしようもない感覚に戸惑いながら「あっ、あっ」と、声を上げてしまう
挿入を繰り返すたびに、ジュプジュプと淫猥な音が耳に響く。その指も一本から二本、二本から三本へと増やされた。
「はぁ…っ、なんか…変で…」
「もう、いいかなぁ?」
そう云った男は、出し入れしていた指を引き抜く。詩人の秘孔はヒクヒクとひくつき、どこか物惜し気に見えた。詩人は喪失感に眉を寄せる。
「ぁ…んんっ…なんで…」
「詩人たん、挿れてほしい?」
「そ、な…わけ…ぇ…」
泣き声混じりに詩人は声を出す。だが、いい知れぬ喪失感に詩人は正直どうしたら良いのか戸惑っていた。
身体の奥底が疼くのだ
「…なん、とか…してっ、くだ…さ…」
「ハァハァ…詩人たんには、ちょっとキツいだろうけど、我慢してね」
そう云った男が詩人の足を肩に掛け、秘孔に牡をあてがう。詩人はあてがわれた牡に身体を強ばらせた。
「い、いやぁぁッ…」
貫かれるかもしれないという恐怖に身体を揺らしソレから逃れようとするが、男には誘っているように見えたのかゴクリと息を呑んだ音が聞こえた。
「んぐ…っ」
「はぁはぁ…詩人たんには上のお口でもやってもらわなきゃ」
そう言いながら、男は腰を奥深く進めては引き抜いてゆく。手持ち無沙汰にしていた男も、詩人の胸を舌で責めながら、詩人自身へと手を伸ばした
「楽にしてあげるよ、詩人たん」
「んっ、…ふぐ…ぅ…」
痛みに萎えていたソレを、手で包み込み擦り上げる。
口と尻は男に犯され、自身は手で追い上げられ…
詩人は気が狂いそうになった。起きている事態が何なのかさえ、呑み込めずに頭が朦朧としていた
「詩人たん…詩人たん…」
「んんっ…ふぐ…」
詩人の秘孔を貫く男が、腰を早め乱暴に突き上げる。痛さしか感じない抱き方は詩人の心を傷つけ、抉ってゆく。
それでも、ある一点を執拗に擦り上げられ始めた時に詩人の中に痛みとは違う感覚が芽生え始めた。先程、指で与えられた快感と酷似した快感が
「…はっ、あぁっ。い、ぁ…なん…、す…これ、は…っ」
絶頂を迎えそうになったのか、男の牡が口から外され顔に精を出される。
詩人は、顔が精液塗れになりながらも先程からじわじわと下肢から迫ってゆく熱に翻弄されていた
可笑しいと思うのに、身体はその感覚を求め、自ら腰を揺らす
強く強く突かれる度に、頭が痺れるような感覚が走り、詩人ははしたなく涎で顔を汚しながら声高く喘ぐ。声は掠れ出ているかどうかもわからない程に
「あっ、はぁん…ひあ、ぁ…も、ゃ…っ」
「詩人たん…可愛いよ…」
詩人は快感から身体を反らせ、白い喉をむき出しにした。その姿態は、とても艶やかで。
「ひあぁ、…ぁぁ…っ」
男の早く力強い律動に、詩人は達し、自らの腹に精を飛ばした。
男も詩人の射精感から来る、内壁の締め付けに促され、最奥へと熱い欲望を吐き出す
「はぁはぁ…中に出ちゃったね」
「…ぁ…ハァ…はぁ…」
男は射精感の余韻に浸る間もなく、詩人の秘孔からズルリと牡を取り出した。秘孔からは男が出した白濁液が、僅かに血色混じった色になりドロリと流れる。
モノを抜き出されたソコは、喪失感にヒクヒクと引くつき、男達を誘っているようにしか見えなかった
「あーぁ…詩人たんのココ、また欲しそうにしてるねぇ?」
「…あ、ぁ…どう、して…?」
「じゃあ今度は俺のを挿れてもらおうかな」
「じゃあ俺は口だ。詩人たん、舌使って舐めてね」
詩人と身体をつなげていた男が揶揄する様に指摘すれば、他の男達が、次々に詩人に言葉を投げ付ける
身体はぐったりとし、詩人の頭は朦朧として何を言われているのかさえ理解できないのに
──── まだまだ夜は長いんだよ、詩人たん…
その言葉だけを、詩人は頭のなかに焼き付けた
これから起きる事を考えないように、意識を遠退かせながら